日本タンクターミナル協会 安全対策の勉強会

日本タンクターミナル協会(JTTA、会長・小幡柾夫内外輸送社長)はこのほど、東京・銀座の交詢社で例会(勉強会)を開催した。関東支部、関西支部の会員、関係者ら46人が参加。総務省消防庁危険物保安室の鳥枝浩彰課長補佐が「危険物保安行政の動向」、続いてケミカル・ディストリビューション・インスティチュート(CDI)インスペクターの出水達悦氏が「CDI-Tの現況」をテーマに講演した。
講演のなかで鳥枝氏は「危険物施設での火災事故は人的要因によるものが多いため、作業手順などを周知徹底する必要がある。流出事故の場合は腐食疲労や経年劣化などの物的要因が人的要因を上回る。タンクを常時監視するほか、電気防食や内面コーティングによる腐食対策が必要」と事故発生の実例を示しながら解説。また災害時の行動マニュアル作成の重要性を述べ、「情報の伝達方法や避難経路を決めておくことが大事。もし想定外の事故が起こっても、災害行動の基準となる。緊急時の状況下ではマニュアル書を軸に、柔軟に優先順位をつけて行動することが大切」と説明した。
一方、出水氏は「技術レベルに応じて事故は起きるもの。人的ミスを前提とした安全プロセスの確立が最大の防止策となる」などと話した。
講演会後は会場を三笠会館に移して懇親会に入った。
(2014/4/14 化学工業日報誌掲載)