内外輸送・横浜支店
細部まで安全対策徹底 保管機能最大化へ構内整備

内外輸送はタンクターミナルおよび危険物・一般物・高圧ガス倉庫など貯蔵施設に加え、国内全域に構築する物流ネットワークを駆使し、輸送まで自社一貫体制で提供している。全国4拠点のうち本社機能を置く横浜支店では近年、設備更新のほか安全対策の一環として労働環境の整備に取り組む。同社最大規模を誇る横浜支店を紹介する。
京急本線・生麦駅から大黒橋方面に進み、橋を渡って左手奥に内外輸送の横浜支店がある。貯蔵施設として約2万5000平方㍍の敷地内にタンク32基(130~2000㌔㍑)、危険物倉庫3棟、屋外危険物貯蔵所2棟、一般物倉庫2棟を構え、稼働率はタンク、倉庫ともに90%以上を維持している。
そのほか可燃・不燃・毒物を取り扱う高圧ガス倉庫2棟を完備。貨物船を受け入れる桟橋や分析室、ドラム缶の洗浄場(ステンレスドラム缶専用)や充填場、ISOタンクコンテナおよびローリーの充填場など付帯設備も充実する。
タンクは工業用・飲料用アルコールや潤滑油、溶剤類向けが大部分を占める。SUSタンクは5基を保有。老朽化したタンクの更新も進んでおり、現在は準特定屋外タンク1基の更新を残すのみという。ステンレスドラム缶の洗浄場はアルコール向け専用で完備する。
また今では多くの物流会社が前後左右の両面開き倉庫を採用しているが、同社は業界に先駆けていち早く導入。危険物、一般物ともに定温倉庫を兼ね備え、多様な顧客ニーズに対応する。車両はウイングトラック、タンクローリー、ISOタンクコンテナ用トレーラーなどを取り揃える。化学品の保管から配送まで自社一貫体制を敷くことでスピーディーできめ細かいサービスを提供する。
設備の更新が順調に進むなか、近年力を入れているのが労働環境の安全整備。例えば、タンクの昇降階段には砂入りの塗装を実施し、より滑りにくい足場とした。また構内で車両が多く行き交う交差点には、看板を設置するだけでなく、道路にも標語を書き込み注意喚起を徹底。そのほか、わずかなバルブの飛び出し部分についても、切断することで万が一の事故を未然に防いでいる。
現在、構内のスペースを考慮すると新たなタンクや倉庫の増設は限定的だが、移設やスクラップ&ビルドによって構内のさらなる最適化を検討する。需要動向などを見極めながら保管機能を最大限に発揮させる方策を探る。
また、横浜支店の現場従業員は30代が多く、ベテランスタッフからの技術伝承が進められているという。今後もさらに人材の育成、環境の整備を進めることで安全体制を強化していく。
(2015/2/23 化学工業日報誌掲載)