JTTA 定時総会と勉強会を開催
「危険物貯蔵の需要は堅調」小幡会長

日本タンクターミナル協会(小幡柾夫会長=内外輸送社長)は19日、東京都千代田区の紀尾井カンファレンスで2017年度の定時総会と例会(勉強会)を開き、総会には関東支部、関西支部合わせて37人、勉強会には総勢42人が出席した。
総会では17年度活動実績と18年度の予算・活動計画などが承認された他、役員人事では新たに監事としてセントラル・タンクターミナルの中山覚横浜事業所長が選任された。
総会の冒頭挨拶に立った小幡会長は「タイトな需給バランスの中で、タンクターミナルは高い水準で稼働している。当面の危険物貯蔵の需要は、堅調に推移すると見込んでいる」と市況について述べた。また、勉強会について「本日は、屋外タンク貯蔵所に特化した内容を学ぶが、研修会でこのテーマを扱うのは初めてとなる。有益な内容を持ち帰っていただきたい」と強調した。
勉強会では消防庁危険物保安室の岡澤尚美課長補佐が「昨今の危険物行政の動向について」と題し、屋外タンク貯蔵所にかかわるこれまで発生した事故と法令改正の内容や2014~16年に実施した屋外タンク貯蔵所の耐震安全性の調査検討について概要を説明した。
調査は、南海トラフ地震と首都直下地震を想定したもので、屋外タンク貯蔵所の「タンク本体」「タンクの立地する基礎・地盤」「浮き屋根」の耐震安全性について、シミュレーションによる検証を実施した。検証の結果、タンク本体では、南海トラフ地震と首都直下地震のそれぞれの場合でも、対象としたタンクの安全性には問題がなかった。
基礎・地盤については、地盤改良されたタンク直下の地盤で沈下が予測されたものの、タンク本体への影響は確認されなかった他、タンク直下と周辺部の地盤の沈下量の差もタンク本体や基礎部分に影響を与えることはなかった。
浮き屋根の安全性についても、強度は許容値を満たしていた。これらの調査により、「タンク本体」「基礎・地盤」「浮き屋根」について、危険物の大量流出や全面火災につながる油面の露出など大きな被害が生じる可能性は低いと判断された。
講演ではこのほか、16年度に「火災危険性を有するおそれのある物質等に関する調査検討会」が実施した調査の概要が報告された。また、消防庁が16年7月から運用を再開した「危険物災害等情報支援システム」などが紹介された。同システムは、事故災害発生時での危険物の特性に対応した応急措置の指針を示すもので消防庁ホームページ内(https://internal.fdma.go.jp/kiken-info/)から利用できる。
(2017/10/26 カーゴニュース 掲載)