日本タンクターミナル協会
台風被害を報告、情報を共有化
消防庁の危険物行政の動向学ぶ

日本タンクターミナル協会(JTTA、小幡柾夫会長)は12日、東京都内で19年度例会(勉強会)を開催し、関東支部、関西支部の会員など43人が出席した。今回は関西地区で甚大な被害をもたらした、昨年9月4日の台風21号によるタンクターミナルの被害について関西支部から報告するとともに、情報共有の場を設けた。また、消防庁危険物保安室の内藤浩由課長補佐が「最近の事故および危険物行政の動向について」をテーマに講演した。
昨年の台風被害について関西支部の会員のタンクターミナル会社からできる範囲で被害の状況を公開してもらい、同支部でまとめたものを画像や動画を交えて報告した。岸壁にコンテナが漂着している様子や施設の冠水、設備の破損など各種被害について説明。施設の修繕にあたって操業を続けながら施工ができる「WKカバー工法」、ポータブル発電機、非常用のアナログ回線、発電機のレンタルなど有効だった取り組みも紹介された。
講演で内藤氏は、昨年9月に消防機関および関係事業者団体に通知した風水被害発生時における危険物保安上の留意事項について説明。コンテナヤードでの強風による荷崩れ、高潮によるコンテナ流出、積み荷のマグネシウム火災発生を受け、屋外にある容器コンテナは高所へ移動し、ワイヤーや金具で相互に緊結、重いものを下方に積むことや、移動タンク貯蔵所を高台等へ移動することなどが盛り込まれている。
消防庁では東日本大震災を踏まえ、危険物施設における津波被害の防止・軽減策を予防規定に追加し「危険物施設の震災対策等ガイドライン」を策定。一方、平成30年7月豪雨や台風21号等により危険物施設でも豪雨による浸水被害や台風に伴う強風・高潮による多数の被害が発生していることを受け、激甚化する気象災害に備えた危険物施設の安全対策を確立が急務と判断。調査検討に着手し、技術的な検討を進めていくとした。
(2019/3/19カーゴニュース誌掲載)