日本タンクターミナル協会 総会
小幡会長、本田、太田副会長を再選
危険物施設事故事例の勉強会も

日本タンクターミナル協会(JTTA、小幡柾夫会長)は17日に総会を開いた。役員改選では、小幡会長(内外輸送)、関東支部長の本田隆義副会長(丸善)、関西支部長の太田英之副会長(辰巳商會)がいずれも再選された。総会で小幡会長は、10月から名古屋を事業拠点とするNRSケミカルセンターが新規会員として入会したことを報告し、台風19号にも触れ、各企業の対策とともに会員同士の情報共有の必要性を強調した。
総会後に行われた勉強会では、消防庁消防大学校消防研究センターの西晴樹火災災害調査部長が「危険物施設・危険物の事故事例と安全対策」をテーマに講演した。
西氏は過去の地震による屋外タンク貯蔵所の被害事例などを紹介。津波浸水深が5m以上になるとタンクが移動してしまうなどの被害があり、3m程度だと配管が切れる被害が起きやすいと説明。津波被害予測ツールや液状化の被害などを推定する「石油コンビナート地震被害推定システム」の活用も提案した。
また、2008年の地下タンク貯蔵所からの重油漏えい事故に関しては、ヒューマンエラーの連鎖によって大量の危険物の流出事故につながった経緯を詳しく解説。「ヒューマンエラーが何重にも重なって被害が拡大した例であり、異常時に思い込みを排除して原因究明にあたることが重要」と強調した。
懇親会で乾杯の挨拶を行った太田副会長は「小幡会長のもとJTTAがますます発展し、認知され、地域に貢献する団体を目指したい。常日頃の努力により自然災害の滅災に取り組んでいこう」と挨拶。中締めを担当した本田副会長は「自然災害では予測以上のことがおきているが、リスク管理を再度徹底し、業界として情報を共有していきたい」と述べた。
(2019/10/29 カーゴニュース 掲載)